
鼻尖形成 nose tip surgery
鼻尖形成
鼻尖形成とは、鼻先の形をシャープに整える手術です。鼻先の余分な組織を切除して糸で縫い縮めたり、軟骨を移植したりすることで、鼻先の細さや(鼻尖縮小)高さ(鼻尖増高)、向きを調整(鼻尖挙上・鼻尖下降)することができます。
【イラスト:鼻尖の位置】
鼻尖形成は下記のような方に向いています。
・団子鼻を改善したい
・鼻先を細くしたい
・鼻先に高さを出したい
・鼻の穴を縦長にしたい
・半永久的な効果を得たい
日本人には、鼻先が大きく丸みのある団子鼻に悩む人が多くいます。同じ団子鼻でも、その原因は大きく3つに分けられます。
①鼻翼軟骨が発達している
②脂肪軟部組織が厚い
③皮膚が厚い
【イラスト:団子鼻の種類】
①のように鼻翼軟骨が発達しており皮膚が薄い場合は鼻尖形成の効果が出やすく、③のように団子鼻の原因が皮膚の分厚さによる場合は大きな変化が得られにくい傾向があります。
鼻尖形成のみでは効果が出にくいと予想されるときは、鼻筋を高くする「隆鼻術」や鼻先を下げる「鼻中隔延長」、張り出した鼻翼を小さくする「鼻翼縮小(小鼻縮小)」などを組み合わせるとバランスの整ったきれいな鼻に仕上げることが可能です。
鼻尖形成の手術の流れ
鼻尖形成の主な手術の流れについて説明します。
①全身麻酔
鼻尖形成の手術は基本的に全身麻酔で行います。意識のない状態で行うため、痛みに対して不安がある人でも安心して受けられます。
②者様に適した方法で切開
切開方法には「オープン法」と「クローズ法」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、患者様の鼻の状態や希望のデザインに適したほうを選択します。
オープン法
【イラスト:オープン法の切開線】
鼻柱と左右の鼻の穴の中を切開する「オープン法」は、大きな変化を出したい場合に適しています。元々鼻に左右差がある方や鼻が小さい方などは、オープン法が適応です。
オープン法は手術中の視野が広く、細かな調整ができるため、ご希望のデザインを正確に再現しやすいメリットがあります。鼻柱に傷跡はできてしまいますが、丁寧に縫合することで十分にデメリットをカバーすることが可能です。
クローズ法
【イラスト:クローズ法の切開線】
クローズ法は、鼻の穴の中の粘膜部分のみ切開する方法です。傷跡が表側から見えないメリットはありますが、手術中の視野の狭さから、左右差につながったり、止血が不十分となったりする可能性があります。
大きな変化を求めない方で鼻の軟骨に変形がない場合は、クローズ法でも対応可能です。
③余分な脂肪軟部組織を丁寧に取り除く
【イラスト:脂肪軟部組織切除】
鼻を切開したら、中にある脂肪などの軟部組織を取り除きます。
④鼻翼軟骨の形状を縫合で修正、必要に応じて鼻翼軟骨の一部を切除
鼻尖の丸みは、脂肪を取るだけでは細くなりません。鼻尖の丸みを形作っている鼻翼軟骨に糸をかけ、縫合テクニックで形を整えます。それでも不十分な場合は鼻翼軟骨の一部を切除してシルエットを整えます。切り取る部分は、鼻翼軟骨の形によって異なります。
A. 鼻翼軟骨の形を整え、鼻尖の幅を減少させる
鼻翼軟骨の角度とカーブを縫合で調整し、縫い合わせることで鼻尖を縮めます。縫合テクニックだけでは鼻翼軟骨の形成ができない場合は、軟骨の一部を切除することがあります。これにより鼻尖の膨らみを調整することができます。
【イラスト:鼻尖の幅を減少】
点線の範囲の皮下脂肪や組織を切除
鼻翼軟骨を左右から寄せる
鼻翼軟骨に糸を通して角度とカーブを調整し、縫い合わせて
美突を縮めます。
鼻翼軟骨が膨らんでいて平らにならないケースでは軟骨の一部を切除する場合があります。
B. 鼻翼軟骨上部を減少する
鼻翼軟骨の頭側部分が大きい場合や、垂れ鼻を上向きにしたい場合は、頭側切除(cephalic trim)を行います。
【イラスト:鼻翼軟骨切除】
⑤鼻翼軟骨の上に軟骨を移植
左右の鼻翼軟骨を縫い寄せた状態で確認し、鼻先の丸みや大きさを改善できない場合は、患者様自身の耳介軟骨などを用いた軟骨移植を同時に行います。
当院で主に行なっている鼻尖軟骨移植は、耳の裏から採取した耳介軟骨を細工し、1枚から必要な場合は2〜3枚を重ねて移植する方法です。
【イラスト:耳介軟骨の位置】
【イラスト:鼻尖軟骨移植】
自分の組織を使うためアレルギーを起こす可能性は低く、感触も自然です。鼻先は上下好きな方向に向けることができ、ボリュームや高さも調整が可能です。数ミリの変化ですが、どの方向から見ても美しく立体的な鼻を叶えることができます。
【イラスト:耳介軟骨の位置(横から)】
④縫合
最後に、傷跡がきれいに治るように丁寧に縫合します。手術は1〜2時間ほどで終了します。
軟骨移植では、どの方向に鼻尖を形成したいかに加えて、皮膚の厚さや硬さを考慮することも重要です。一般的に東洋人は鼻先の皮膚が厚いため、皮膚の薄い西洋人よりも鼻尖の変化が出にくいと言われています。
当院では複数の技法を駆使することで、変化をしっかりと出しながらナチュラルに仕上げることも可能ですので、まずは理想のデザインをお伝えください。
術後の注意点
●鼻尖形成で起こりうること
術後に赤みや腫れ、内出血、感染、鼻の穴の左右差、鼻づまり、後戻りなどが生じる可能性があります。鼻づまりに関しては、粘膜の腫れやむくみが落ち着いてくる1〜2週間ほどで回復することが大半です。細心の注意を払って手術を行いますが、鼻の穴の左右差については元々非対称であると余計に強調されてしまう可能性があります。
後戻りは、「レティナ」という鼻の穴のリテーナーや「デンバースプリント」という鼻用のギプスによる固定で対応します。
【写真:レティナ・デンバースプリント】
また、オープン法では鼻柱の傷跡が目立つ可能性はあります。目立たない位置ではありますが、上を向くと見えるためコンシーラーなどで隠すとよいでしょう。多くの場合は、3〜6か月で素顔でも気にならないくらいに目立たなくなります。耳の軟骨を採取した場合は、耳にも傷跡ができますが、鼻柱と同様に徐々に薄くなっていきます。
鼻尖形成は、元々の鼻の形によって効果が出やすい場合と出にくい場合がある手術です。どれほどの効果が期待できそうか、カウンセリングの段階で詳しくご説明します。
●日常生活における注意点
シャワーは当日から可能ですが、鼻は濡らさないようにしてください。入浴・飲酒など血行が良くなる行為は、大きな腫れが引くまで1週間ほど経ってからにしましょう。術後は、鼻先の軟骨の形が曲がらないように1週間ほどギプスで固定します。鼻へのメイクはギプスを外してから可能です。
その後もむやみに鼻先を触らないように気をつけて、睡眠時はうつ伏せ寝にならないように注意しましょう。傷跡は少しずつ薄くなっていきますが、切開部分にアルコール消毒をしてしまうと傷の治りが悪くなるため控えてください。
CZEN GINZA CLINICの
鼻尖形成へのこだわり
●日本形成外科学会専門医のドクターが担当
当院は「真正かつ良質な医療」を提供するため、日本形成外科学会専門医の資格を持つドクターのみが手術を担当しています。形成外科領域で乳房の形成や再建も行なってきた経験を活かし、審美性と機能性のどちらも追求することが可能です。
また、当院では「素顔でもわからないほどに美しい傷跡」を追求してきた形成外科専門医が丁寧に細やかに縫合を行います。使用する針や糸も厳選し、傷跡が早く目立たなくなるように配慮しています。
診察からアフターケアまで確かな知識と経験のある専門医が対応するため、万が一トラブルが起きた際も迅速な処置を受けられます。
●術前の徹底したシミュレーション
【画像:ベクトラH2によるシミュレーション】
診察では、高解像度3Dカメラ「ベクトラH2」を用いて術前のシミュレーションを念入りに行います。1度で完成させたい鼻の手術だからこそ、患者様の理想のイメージを事前にしっかり共有することを重視しています。
鼻の形や顔全体のバランスを考慮すると、鼻尖形成以外の鼻の手術を組み合わせたほうが美しく仕上がる場合があります。少しでも理想の鼻に近づけられるように、ご予算も踏まえながら提案します。
●丁寧な縫合で鼻柱の傷を美しく
鼻尖形成をオープン法で行う場合は、鼻柱に傷跡ができます。傷跡が目立つかどうかは、患者様の体質もありますが、ドクターの技術も大いに関係します。
当院では「素顔でもわからないほどに美しい傷跡」を追求してきた形成外科専門医が丁寧に細やかに縫合を行います。使用する針や糸も厳選し、傷跡が早く目立たなくなるように配慮しています。